僕らのネクロマンシー
佐々木大輔
出版社:NUMABOOKS
ISBN:978-4-909242-03-7
NFT版:0.1ETH(プライマリセールス時)/限定119部/2022年刊
電子普及版:1,350円+税/2022年刊
プリント版:時価(参考価格 13,500円+税)/限定350部/2018年刊
編集:内沼晋太郎、松井祐輔(NUMABOOKS)
ブックデザイン:藤田裕美
写真:エレナ・トゥタッチコワ
プリント版 印刷・製本:NISSHA株式会社
[本書についてのお問い合わせ:pub◎numabooks.com(◎→@)]
◎ニュース
◎2022年版刊行によせて
<21世紀版『遠野物語』><予言的私小説>と銘打って、
2017年に執筆され、2018年に350部限定で刊行した本書は、
2022年のNFTの普及を、本当に予言してしまっていたーー
物語の主人公は、元アーキビアン(Archivian)。著者の造語で、現実世界のコンテンツをネット世界にアーカイブする仕事だ。その仕事に嫌気が差した主人公は、すべてのデータをローカルストレージに引き揚げ、ネットワークを切断し、住まいを東京から遠野に変える。ここから物語がはじまる。
遠野の山の中で、希少性をもったデジタルデータ(「トークン」と表現される)の開発や販売を行う集団に出会う。やがて、世の中にたったひとつしか存在しない非常に希少なデータをめぐった争いに巻き込まれ、主人公は他の登場人物が思いも寄らない方法で、その争いに終止符を打つことになる――
作中には、知識をカード化した、希少性をもったデジタルデータのアイテムも登場する。これは、著者がこの小説を執筆していた2016年から2017年にポピュラーになりつつあったイーサリアムのアイデア(ブロックチェーンのスマートコントラクト)に触発されて、「いつかこういうものが実現するだろう」と小説の中に取り入れたものだ。そしてそれはNFTという名前で、現実に爆発的に普及した。
コンテンツの本質とはなにか。ネットにアーカイブされた中身のデジタルデータにあるのか、それとも現実世界のフィジカルなパッケージにあるのか、それとも……という問いに悩み続ける主人公。出そうとした答えは?
Web2批判でもなく、Web3讃歌でもなく。2022年現在、コンテンツに関わる人たちが直面する苦悩を、奇しくも予言していた本作。執筆から5年の時が経ち、ようやく希少性のあるデジタルデータが販売できるようになった2022年の、「遠野物語の日」である6月14日に、NFT版および電子普及版としてあらためて世に問う。
*
小説『僕らのネクロマンシー』は、インターネットから生まれたさまざまな技術が高度に発展し、自然に埋め込まれた未来を描いたSF小説です。AIやIoTといったWeb3.0の世界と、NFTとメタバースといったWeb3の世界。それらがごくあたり前になった「カームネット(静寂なインターネット)」が舞台です。いかにも穏やかなその空間において、「メディアとコンテンツ」「外側と中身」「肉体と魂」は、効率を重視してどこまでも際限なく細切れにされていきます。しかし、主人公だけがそこに居心地の悪さを感じている――
本作は2018年に刊行され、
2020年に「Best Book Design from all over the World」で銅賞を受賞していますが、デジタル版はありませんでした。しかし、作品のテーマを物語と強く結びつけて表現するのにふさわしいメディアとしてNFTが登場したことで、今回あらたにデジタル版を制作しました。
◎NFT版について
- NFTオーナーに提供されるUtility
NFTをご購入いただくと、下記のUtilityが提供されます。リンクされている各URLには、購入後にアクセスください。
1)
専用サイトにアクセスすることで、EPUB、mobi、PDFの3種類のデータがダウンロードできます。
2) このBook NFTは、Borrowable NFTという独自コントラクトで作成されています。Etherscanのサイト上で次のように順を追って入力を行うと(Contract -> Write Contract -> Enter Tokne ID -> Write)、まるで実際に本を貸すかのように、他者に本を借りてもらうことができます。その本を借りた人は、オーナーと同じように専用サイトにアクセスして電子書籍をダウンロードし、小説を読むことができます。なお、借りられている間もこのBook NFTはオーナーのウォレットに表示され続け、借りられたUtilityは24時間後に自動的に返却されます。これは、本の所有者を変えずに、フィジカルな本がもつ自由な流通を表現したものです。
3) 著者(
https://twitter.com/sasakill) が主催するコミュニティやイベント、提供するコンテンツやサービスの参加券となるUtilityの提供を不定期で計画しています。
4) NFTの制作を行なった株式会社Next Commonsが遠野で運営する「Uレジデンス」に30〜40%割引で宿泊できる
特別会員権が付属します。
※提供者の裁量で、事前の告知なしに提供を停止する場合があります。
※著作権等に関する注意事項:本NFTに付随した画像ファイルやUtilityの知的財産権は、佐々木大輔およびNUMABOOKSに帰属します。そのため、本NFTを所有していたとしても、かかる知的財産権まで所有することを意味しません。
◎購入する
- NFT版
Openseaにて販売しています。
なお、NFTのUtilityとして、EPUB、mobi、PDFの3種類のデータがダウンロードできます。ダウンロードサイトは
こちらです。NFTをご購入後にアクセスしてください。
- 電子普及版
- プリント版
本書は時価(参考価格 13,500円+税)です。現在、第12回販売を行っています。
販売ページ:
NUMABOOKS出版部
第12回販売|2021年12月10日|販売価格: 11,500円+税 →販売中
第11回販売|2020年11月10日|販売価格: 11,000円+税 →完売しました
第10回販売|2020年2月28日|販売価格:10,500円+税 →完売しました
第9回販売|2019年6月18日|販売価格:10,000円+税 →完売しました
第8回販売|2018年9月28日|販売価格:9,500円+税 →完売しました
第7回販売|2018年6月12日|販売価格:9,000円+税 →完売しました
第6回販売|2018年4月8日|販売価格:8,500円+税 →完売しました
第5回販売|2018年3月16日|販売価格:8,000円+税 →完売しました
第4回販売|2018年3月6日|販売価格:7,500円+税 →完売しました
第3回販売|2018年3月3日|販売価格:7,000円+税 →完売しました
第2回販売|2018年3月1日|販売価格:6,500円+税 →完売しました
第1回販売|2018年2月28日|販売価格:6,000円+税 →完売しました
遠野市限定・店頭販売|NoTO GENERAL STORE|
https://www.facebook.com/notogeneralstore/
※本書の販売価格は時価となっており、変動します。参考価格13,500円+税は、本書の1冊当たりの原価を、一般的な出版社における原価率で割った金額です。販売当初はそれよりも低い金額から販売をスタートし、期間を区切って限定的な部数を段階的に販売し、価格は原則的に上がっていきます。これは、少部数での出版活動を成立させるための実験を兼ねた試みです。
試し読み:
※本書は、その内容はもちろん展開においても、
柳田國男『遠野物語』初版へのオマージュを含んでおります。